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心の隙間に流し込むのは暗い映画なのだよ

久々に映画館に行くかという気持ちになったので「そういや長らく着てないなー」というジャケットを掘り起こしたところ、ポケットから大学入学直後に渡された案内書と学食のレシートが出てきた…。
むしろ長らく着てないどころか大学入学から1週間くらいの時にしか着てなかったのね…。


1本目の映画 「海にかかる霧」

umi


「殺人の追憶」や「母なる証明」の監督であるポン・ジュノがプロデュースした韓国の海洋サスペンス映画。
貧困から脱するために漁船の乗組員たちは密航者の移送を請け負うことにるが、様々な行き違いが憎悪に変化していく、という実際の事件を基にした内容。

大半が船上で展開される密室型サスペンスなので、偶発的な事故とそれによる状況変化を把握しながらも自身の欲求を優先するバカによって人間関係も状況も悪化していくという流れ。そういった状況において理性的な判断が行えるかという部分がこういった内容の肝になってくるけど、「若さ」や「下半身の緩さ」といった面を前半で時間をかけて描き、ちょうど折り返しの60分前後に設置された後戻り不可能な劇的な展開が作動。あとは前半で描かれた各自の要素を独善として描くことで、おぞましい血みどろの残酷絵巻に発展する。
それらを牽引するのがキム・ユンソク演じる船長。あのタレ目とも違う、いわゆるジト目の力強さ。最近の韓国映画では「追い詰められた知的なリーダー」といえばこの人みたいなところがあると思うけど、今回も冷徹な役柄で絶対的な存在感を発揮していた。

韓国映画らしく「これは酷すぎるからやらないだろう」という視聴者の予想をそのまま映像化した上に、救いなく終わる結末も手加減が無くて素敵だった。


2本目の映画 「ブルー・リベンジ」




無名の若手監督による小規模作品ながら、数々の映画祭で絶賛された静かな復讐劇。
車上生活を続ける浮浪者に警察から、彼の両親を殺害した男が出所したという連絡が入る。刑務所に服役したことが罪滅ぼしとなるのか。彼は男を殺害し、やがてそれぞれの家族を巻き込んだ報復の連鎖が始まる、という内容。

徹底してセリフを排し、事件の全貌と主人公の過去を説明する情報が断片的に提示されるだけで、劇中での会話をすべて合わせてもおそらく10分もないはず。それだけに、無駄な要素が削ぎ落とされることで「両親を殺害された」というフィクションとしてはシンプルな設定が際立ち、1本線ながら太い説得力を与えている。
恐ろしいのは主人公が常識的な一般人であること。高い戦闘力もなければ怒り狂うこともなく、殺人を犯す自分を冷静に受け止めながら、そうなってしまった状況を悲しんでいる。しかし、その悲しみは姉家族を巻き込んでしまったことに起因するので、相手側に対する感情は持ち合わせていない。
冷静で感情を動かさないがゆえに「殺されたから殺す」という互いの報復の繰り返しが機械的なシステムの流れを内包しているようにさえ見えてきて、コントラストを強調した映像も相まって異様な緊張感を生み出していた。

復讐に至るまでの怒りや悲しみを表現する方法は多々あれど、この作品ではそれらを「復讐をやめる理由を考えていた」という一言で決着させている。復讐が当然のものとして始まり、自身が元の生活に戻るための方法を模索しながらそれを撃ち破る憎悪の応酬。長年に渡って浮浪者生活を続けていた主人公をいまだに愛してくれる人々がいることがなお悲しい。


どちらも年間ベスト級の作品で良い映画日和でござった。
【2015/05/11 18:56】 | 映画感想 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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